森羅万象を可愛がる歯車

明石高専機械工学科を卒業しました

せっかく?なので5年間を振り返ります.オタクの得意な自分語りなので高専入りたい人の参考とかにはなりません.

入学

中学時代はそこそこ強豪の吹奏楽部で練習漬けで,音楽を仕事にできないなら高校でも音楽※ここでは可処分時間全てを音楽に費やすことを指しますはしないで進路に繋がることをしようと思ったのはちゃんと音楽と決別したかったからだった気がします.仕事としては職場体験で行ったバネ工場でCADを触らせてもらったのがきっかけで,ぼんやり機械設計をやりたいと思っていました.

入学して最初の1年は中学時代に音楽の犠牲にしたものを取り返す時間でした.放課後に出掛けて,推しのライブに行って,学生会執行部に入って,企業や地域との連携プロジェクトにもいくつか参加して,吹奏楽団に入って大会にも出ました.歯車が好き!といっても引かれない(本当に?)環境と,やりたいと思ったことは何でもできる時間は楽しかったです.

高専祭実行委員会

2年生のとき,吹奏楽の大会と高専祭の日程が被り高専祭を2日とも休むと進級できない大会に出られなくなります.大会のない夏って何すんの?無理!と叫んでいたら友人に高専祭実行委員会に誘われ,一夏を捧げるうちにすっかり虜になってしまいました.今でも無意識に装飾やイベントのアイデアを探しているし,大人になったらイベンターになろうかな?

3年生のとき,高実高専祭実行委員会の略称ではバザー部の代表に,ついでに学生会では広報局の代表になり,人を動かすことを覚えたような気も少しだけ.まず誰より自分が働く,と心得たのはこの頃です.

多方面に知り合いができたり,何もできないなりに信頼して貰って任せて貰える,地固め的な1年だったのかなと思います.色んな仕事で学生課のお世話になっていたので大体顔パスできたし学生課の扉を開けると「今度は何だ…」みたいな嫌な顔されたのをよく覚えています.

怒涛の4年生

バザー代表を続けつつ副実行委員長的な役割にもなり.自分の考えたテーマとロゴを採用してもらって,装飾や全体の運営,ほとんど全てに口を出していました.発言力を持つのは楽しかったし,やりたいことは何でもさせて貰えてありがたかったです.

高専祭2日目,後夜祭が終わった瞬間に実行委員長と高実に誘ってくれた友人と3人で抱き合ったのをよく覚えていて,我ながら青春じゃん〜!と思うのですが先日実行委員長は覚えていないことが発覚し悲しくなったりしました.

同時に歯車愛が高じて歯車メーカーにインターン行ったり,吹奏楽の全国大会に出場できてしまったり,スポーツ大会の数日前に思いつきでトーナメント表とタイムテーブルをまとめたサイトを作って※それまではメールでPDF配布,試合結果は体育館前に掲示してた当日1人で運営したり,自分で仕事を増やして勝手に辛くなったり楽しくなったりしてました.この頃はまず誰より自分が働いて,自分の楽しいようにする,と意識していた気がします.

何が起こった5年生

正確には4年生の冬.高実,学生会ともに前線を退き()吹奏楽もやめ,何もやることがない(なお就活).そんなときにモチベーションを有り余らせて高専キャリア全国大会,高専カンファレンス新春に参加しました.人間関係を一から構築していくのが楽しかったし,運よくお喋りを褒めてもらえたこともあってすぐに夢中になりました.推しを推しているだけで面白がって貰えるし(?),概念というかか思想の話をできる人がいて嬉しかった.

楽しさのあまり突っ走って高専カンファレンスNonITを開催したり,知らない人が多い空間自体が好きなのかもしれないと思ってTEDxKobeなど外部のイベント運営もいくつか参加しました.学外に出たことをきっかけに逆に学内の知り合いも増えたりして,相乗効果もあった一方で手を広げすぎて総崩れになったことも多かったのは反省です.

就活は完全に行き当たりばったりで,面接で自分の考えを話しながらまとめて,面接が終わるころには方針が変わっているのが当たり前.走りながら考えていてふと気付いたら終わっていました.

思想面では自分の発言力というより意見を押し通してしまうところについて,より考えるようになりました.人の輪の中心にいるのは好きだしたぶん他のことより少しは得意だけれど「べき思考」が強いのと,私が喋っていると喋りにくい人も多いんだろうな,と思ったり.やっぱりイベンターは無理かな.もう少し肌なじみの良い人間になりたいです.

卒研こわい

タンパク質を可愛がってたらなぜか論文が書けてついでにLTのノリで8分くらい喋ったら卒業研究の単位貰えました.やったね今日から準学士

もともと進学の予定がなく最初で最後の「研究」というやつで,課外活動にかまけて勉学に励んでこなかった分,少しは頑張ってみようという気持ちもあったりなかったりしました.

つらい時期も長かったけれど研究は楽しくて,受験さえ間に合えば大学進学も頭を過ったほどでした.個人的にとても良かったのは,実験の特性上共同研究の先生方と一緒の待ち時間が長かったこと.ちょっとしたことも質問しやすく,学会の話,今の研究の流行りの話,色んな話をきけるのも面白かったです.

進路

ざっくり言うと派遣の機械設計エンジニアになります.これを書いていて中学時代の夢が一応叶っていることに気が付きました.技術力ないコンプレックスを何とかしたかったのと自分の性質性格を活かす方法を考えたらこうなりました.最初の派遣先では生産技術開発,ラインの自動化なんかをやる予定で,いつか強くなったらやりたいと思っていた職種をいきなり引き当てたのでとても楽しみです.

まとめる

中学時代との決別に1年,足場固めに2年,精一杯高専生やるのに1年,引継ぎと外を見るのに1年のちょうど5年,丸く収まったかなあと思います.高専を人に勧めるかどうかはまた別のお話ですが,私は高専が好きですし行って良かったと思います.5年間楽しかった.

そういえば授業内容に全く触れていませんが,機械系は範囲が広すぎるので働いてみないと分かんないな,ってところがあります.現時点で不足を感じるとしたら金属以外の材料についてでしょうか.

先輩にはいっとう恵まれたし,その恩をいくら送っても追い付かない,とくべつかわいい後輩たちに囲まれて幸せでした.クラスは入学式と卒業式で隣の席が2人とも別の人になってしまって,当初43人で上と外から3人きて卒業式では38人になってしまったけれど,みんな善良で可愛い人たちでした.学内にも学外にも,私を可愛がって面白がって応援してくれるひとがいてくれて本当に嬉しかったです.関わってくれた人,みんな幸せにな~れ!

来年度からもずっと楽しくいられるようにそれなりに,まずは丁寧な暮らしから頑張っていきたいです.肌なじみの良い人間ってスキンケアしたらなれるかな?

つづく